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【これからのリーダーシップ育成】管理職候補のリーダー育成


自己認識の差で職場の働き方が変わる

こんにちは!

「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」の頼木(よりき)です。

 組織の成長のために優先度の高い課題のひとつに「どうやってこれからの管理職を育てるか」があると思います。

 ところが、昨今ではその管理職になることに対して、後ろ向きに考えてしまう社員が増えていると言われています。ある調査では若手社員の半分近くが「管理職になりたくない」と回答したそうです。しかも、「管理職になりたい」と答えた人が3割程という衝撃的な結果が出ました。

 このような状況で、私たちはどのようなことに取り組み、管理職になることに対するモチベーション向上を促進する必要があるでしょうか。今回はどのように対処していくと良いかを考えてみたいと思います。



 

【 目 次 】

 

管理職になりたくない人が多い理由

管理職になりたくない理由の上位3つに

 1)仕事が増えるから  

 2)仕事の責任が重くなるから

 3)自分は管理職に向いていないから

があります。この理由について、それぞれどのように考えると良いか、考察してみたいと思います。


1)「仕事が増えるから」

自分の業務で手一杯なのに、他のメンバーの管理業務が増えて、自分のやりたいことができなくなるという思考が要因となります。管理職であるリーダーは、チームの取り組むべき優先順位をたてて実行するタイムマネジメントが必要になります。


2)「仕事の責任が重くなるから」

管理職だけが実行の責任をもつわけではありません。メンバーそれぞれが担当するタスクごとに主幹(責任者)を担ってもらい、管理職であるリーダーがチーム全体の統括を受け持ちます。


3)「自分は管理職に向いていないから」

管理職になるリーダーの自己認識をどう持ってもらうかが重要になります。現代では求められるリーダーのカタチは様々で、自分にあったリーダーのスタイルが何かを理解してもらい、自分でもできるという自信を持ってもらうことが必要です。

 これらを解消するためには、リーダー候補の育成が重要です。これは管理職を目指すことに消極的な社員に対しても、個人が持つポテンシャルを引き出すことが可能です。その育成の4つのポイントについてご紹介します。


リーダー(管理職)の魅力を伝える

 管理職になりたくないという理由には、リーダーである管理職の魅力が伝わっていないことも要因になります。もちろん、リーダーも不満や悩みはつきないのですが、それ以上に管理職としての役割の価値を日頃から伝えることが大切です。

 リーダーシップは単に指示や管理をしてメンバーの憎まれ役になるのではなく、チームを導き、支え、メンバーのモチベーションを高める役割を持ちます。

 管理職になることの具体的なメリット、例えば周囲への影響力やキャリアアップ、自己実現の場であることを悟らせ、それが自分自身だけでなく、周囲や組織全体、さらに顧客や社会にいかに効果をもたらすかを伝えていきます。





リーダーとしてのキャリアプランを語り合う

 普段からリーダーの仕事の魅力を伝えるだけではなく、メンバー自身にも未来の自分の姿をイメージさせることが大事です。

 メンバーの一人ひとりに対して、自分がワクワクする自分の未来のリーダーとしての姿を描くキャリアプランニングを定期的に実施します。

 上司はメンバー自身のキャリアを一緒に考えます。上司の自分のキャリアや思想を押し付けるのではなく、メンバーが望むキャリアについて対話を通じて深めていきます

 個々の社員が目指すリーダーシップ像が明確化し、メンバーはそれに向けた具体的な取り組みや、今後必要とされるスキルの開発について語り合います。


先輩リーダーの成功事例を共有する

 1on1のコミュニケーションが仕事の進捗確認などの報連相が中心の場になっていると、仕事の完成度だけを考え、お互いがどのような想いで仕事に関わっているかに関心が向かわなくなりがちです。

 そこで、リーダーは自分の仕事のやりがいについて共有したり、組織内で活き活きと働く先輩リーダーの事例を積極的に共有していきます。

 それによって、自社のリーダーのロールモデルを通じて、そのリーダーがどのような成果を生んでいるかを示し、具体的なイメージと動機付けをはかります。

 異なる背景を持つリーダーの話を聞くことで、多様な視点から周囲から求められるリーダーシップを感じ取り、自分の姿と同一視することができます。





事前にリーダーの役割を体験させる

 よく起こりがちなのは、組織の組織体制の変更のタイミングで突然管理職に登用することです。いきなり大規模な責任を一気に負わせるのではなく、小規模プロジェクトのリーダーやチームをリードしていく経験を徐々に体験する機会を提供します。

 つまりスモールステップで、リーダーの実践的な管理経験を積み、小さな成功を積み上げることで、自信を持たせ、次のステップに進んでいく意識が高まっていきます。

 可能であれば、計画的にその実践の場を設定します。実はその場をどうつくってあげるのかも、リーダーの重要な仕事です。チームや組織で達成した成果こそが、リーダーで成し遂げるやりがいそのものなのです。



 以上、これらの施策を通じて、社員が自分のリーダーシップの道筋を明らかにして、積極的に選択し、自己成長と組織貢献を実現する支援をすることが大切です。

 リーダーである上司が、部下であるメンバーの潜在能力を最大限に発揮できるように、個人の主体性を高めることがリーダーへの意識づけにつながっていきます。新入社員の受け入れが一段落しましたら、ぜひ、リーダー候補の育成について、考えてみましょう。



 

▼この記事を書いた人

頼木 康弘(よりき やすひろ)

「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナー

副センター長/専任講師/コーチ

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