top of page
アイデンティティー・パートナーズロゴ

株式会社福島銀行

2023年12月21日

​​更新日:

次の100年を担うのは若手。積極的なコミュニケーションやモチベーションアップに繋がっています。

福島県に拠点を置き、大正11年に創業。地元に根付いた事業を推進し、お客さまとともに歩んで、昨年11月に100周年を迎えた福島銀行さま。
地元、福島のお客さまとともに歩んできました。この数年は伴走支援などに注力されています。

河野 一郎 様(写真左)会津支店 支店長
菅野 貴大 様(写真右)人事総務部 人事研修課 副調査役

実施概要:

中期経営計画でフォーカスされていた「傾聴力と対話力」アップのため、2021年より順次若手メンバーに『お客様の気持ちに寄り添うヒアリング研修』、また『相手の気持ちを掴むコミュニケーション研修』を実施。2023年には現場での人材育成にあたっていただくことを目的に支店長を対象とした若手へのスキル支援プログラムをシリーズで実施。


※企業名、担当者肩書き、プログラム名はインタビュー実施日(2023年7月)のものです。

 

【 目 次 】



 


次の100年を担っていくのは若手。DXに関する知識や資格取得を推進し、モチベーションアップに

 

--社員育成やモチベーション向上で注力していることを教えてください。

 

河野さま 次の100年を担っていくのは若手だと思っています。なので、やはりDXに注力しています。世の中的には大企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)をスピード感を持って推進していますが、福島県内は中小企業が多く、DXへの意識はあるものの、コストやリソースの問題でなかなか進みづらいのが現状です。

2019年にSBIホールディングスと提携したことで、フィンテックやITに強い企業と連携できるようになってきたので、福島のDXに貢献していきたいです。

若手はデジタルネイティブといわれる世代が多くなってきているので、DXに関する知識をどんどん付けてほしいですね。DX関連の資格試験の本などでは横文字が多いですが、若手にとって抵抗はないと思います。

社長も若手に頑張ってほしいという気持ちが強く、「若手がやりがいをもって頑張りたいと思える環境を創ってあげたい」と言っています。

 

菅野さま DXに関わる資格や試験を検討して、行内で推奨する動きを進めており、システム系の部署を中心に、ITパスポートなどの資格は合格者も出ています。

SBIグループとの提携が始まってからは、若手や中堅を中心に派遣をして、研修や出向なども始まっています。若手にフォーカスを当てた方針や施策を重点的に行っており、モチベーションに繋がったという声が最近多く上がってくるようになりました。

 

ーー取り組みに至るまでに感じられていた課題や、当社の研修受講の決め手を教えてください。

 

河野さま 中期経営計画では「傾聴力と対話力」がクローズアップされていました。そういった部分を自前でできるか、というとなかなか難しいです。お話を色々と聞きながら考えて、事前の打ち合わせを繰り返して、研修受講に至りました。手厚く、我々の気持ちを汲んで、ブラッシュアップしていただいた研修をしていただけたと思っています。

 

菅野さま 実は、研修に関してここまでの打ち合わせをしたことはありませんでした。ここまでオーダーメイドで、課題点なども含めて当行を知ろうとしてくれたことに、とても感謝しています。問題解決の具体的なアドバイスやプロ目線からの話をいただけたので、より効果的な研修になりました。きっと他社ではここまでやってもらえないのではないでしょうか。

 

--今回の取り組みに際して、ご不安に思っていた点はありますでしょうか?

 

河野さま 「走り出したらやるしかない」と思っていたので、不安はありませんでした。実務的にやっていた菅野のほうが色々あったかもかもしれませんね。傾聴と対話を打ち出したものの、テーマが大きすぎると感じていて、何をしたら良いのかととても悩んだ部分はありました。

いわゆるコミュニケーションの研修とも違う、でも営業により過ぎないほうがいい…と。

コミュニケーションや営業の対話研修は実施していたので、「何が違うんだろう?」と困惑はしていましたね。

菅野さま そのとき、貴社に投げかけてみたところ、手厚くフォローをしていただけたので、新たな切り口や発見があり、悩みがなくなりました。コロナ禍だったこともあり、オンラインでの実施をするにも設備が整っていないなど、物理的な課題はありました。

ですが、集まる機会が少なかったので、全て対面で年次で実施することを決めました。それが良かったと思っています。




 

 

取り組みを通してコロナ禍で持ちにくかった同期の繋がりが生まれ、アウトプットのきっかけに

 

--取り組みを実施して、良かった点や新たな気付きとなった点がございましたら、お聞かせください。

 

河野さま 同期の繋がりなどが持てたことがいちばん良かった点ですね。共通の悩みがあったり、課題を共有し合ったり、次のステップに向かっていけると感じました。これからを支えていく世代のメンバーである若手がとても頑張ってくれています。リスクはあるものの、テキストやオンラインだと70〜80%しか伝わらない、これは対面ではないといけないと。

最初の実施は広い会議室を使用して、最大限の対策をした上での対面実施でしたが、幸いなことに感染者が出るなど懸念していたことはありませんでした。

 

また、講師を担当していただいた、齊藤さんとの研修前の会話がとても楽しかったんです。

齊藤さんの研修は、ご自身が営業をされてきた実体験を若手にフィードバックしてくれましたし、営業目線からのコミュニケーションを初歩的なところから教えていただけていました。非常にありがたかったです。スッと入ってくる齊藤さんの声のトーンやフレンドリーな話し方の講義だったこともあって、若手メンバーにとっても良かったんでしょうね。後半につれて前のめりになっていく様子が見られました。

 

若手の悩みに目線を落として、「そこそこ!」と感じることをお話してくださいます。一方的な研修ではなく、事前に悩みをヒアリングして内容を変えたり、その場にいるメンバーの目線に合わせてコミュニケーションを取ってくださいました。

 

菅野さま 事前アンケートもほとんどないことが新鮮でしたね。社員から言われて印象に残っていることが「自分が何に悩んでいて、不安なことを考えたこともなかった。文字に起こしたこともなかった。」ということです。自身の悩みや思いをアウトプットする機会は確かにないことを自分自身でも気付いてハッとしました。

この研修は知恵を絞り合って生まれたものだと実感しています。社長が対面での研修の重要性を感じているので、若手に対しても目をかけて気を遣い、大事にしていることも大きいです。

 

--今回の取り組みで感じられた効果や変化はありますでしょうか?

 

菅野さま 若手と話すと、モチベーションはみんな上がっている印象がありますね。今までも営業に対して後ろ向きなイメージやネガティブだったのが、前向きに取り組んでいるように感じます。受講者したメンバーの先輩社員たちに話を聞いてみると、「以前より主体的に動いている」「積極的に社内外でコミュニケーションを取ろうとする姿勢が見える」といった声が上がっています。それを継続することで、数字や成績などに直結してくれば、更に彼らの自信にも繋がってくるのではないでしょうか。

 

河野さま 若手が今、営業をとても頑張っていると感じるようになりました。行内で、営業が成約した際にニュースを流しています。若手もそのニュースを見て、より意識するでしょうし、我々も頑張っているな、と思えます。そういったきっかけになってきたのでしょう。きっと若手メンバーは「営業」という役割にプレッシャーを感じていたのかもしれません。傾聴力で課題や悩みを聞いて、改善提案をする、というシンプルなことの継続が業績に繋がっていきます。お客さまのコミュニケーションだけではなく、社内のコミュニケーションも大事です。社内でのさまざまな悩みを掘り下げていくと、実際はコミュニケーション不足で起こっていることも多いです。ちゃんと話として、お互いの話を聞くっていうことが重要ですし、そうしていくことで、社内にも良い循環が生まれてくると思っています。

 

来月は支店長向けの研修があるので、私もイチ受講生として参加するので、とても楽しみにしています。若手への研修を4年間やってきましたが、続けていくことで研修結果のフィードバックなどももらって蓄積されてきました。今後は支店長やその先の課長にも実施できてくると、お互いにいろんなことを話し合いながら、いい職場になっていくはずです。成長している企業は社内のコミュニケーションが円滑にできていますし、上からガツンと言って成長できる時代ではありません。社内の文化を変えるフェーズに入ってきていると感じています。

私は30年以上銀行で仕事をしてきていますが、お客さまにもいろんな方がいて、いろんな経験ができるのは銀行ならではです。自分のやり方次第で得られる経験は多いんですよ。もちろん辛いことも大変なこともあって、くじけそうになることも出てくると思いますが、長くやっていく醍醐味は銀行にあると感じています。人との出会いも人生における大きな財産になりますから。




 

--取り組みを通じて、社内からの反応で予想外なことなどはありますでしょうか?

 

河野さま 社員の成長を感じています。実は、直近で研修を実施したなかで心配な世代がいたんです。メンバーがとても個性的でバラエティに富んでいるのですが、コロナ禍での入社で横の繋がりがない世代でした。

ですが、研修の様子を見ていたら、自分たちで横のつながりを作って積極的に研修を受けようとしている姿勢が見受けられて、活発に受講してくれていました。アウトプット量もとても多かったのが予想外でしたね。入社して3年経過してさまざまな経験をしてきたことが見えました。

 

菅野さま どこの企業でも同じだと思いますが、人事に対して上がってくる声はネガティブなものが多い傾向にあるのではないでしょうか。研修を実施したことで、普段は我々まで上がってこない声がいちばん意外性が強かったです。それを見えるところで感じられたのが良かったですね。

 

受講したメンバーから行内全体の文化醸成につなげていきたい。次のステップでは中間層に向けての施策も検討

 

--おふたりの視点で、今回の取り組みがどのように会社内に広まってほしいと感じますか?

 

河野さま 年次で研修に来ていただいていますが、受講したメンバーがそれぞれの視点で学んだことを後輩に研修をするなどで、繋がっていくことが良い組織になっていけば良いですよね。

実は、お店での接客が素晴らしいと感じた企業さんがありました。そこで、どんな研修をしているのか気になって、もし可能であればメンバーを参加させたいと思っていたんです。ですが、いざ聞いてみたら、研修はしておらず、代々伝えられてきたものだったことに驚きました。

そのお話を聞いて、我々も事業承継していかないといけないと強く感じました。各世代で抱える悩みも共通するものが多いと思うので、お互いに共有して共感して、成長して良い組織になっていってほしいです。

 

菅野さま 次の世代にも伝えていってほしい気持ちはもちろんありますが、次回は支店長研修も実施することになっていますので、「社員みんなでいい環境を創っていこう」という前向きなモチベーションを持って取り組んでいきたいです。どうしたら広められるかを考えて、これからの施策を検討したいと思っています。




 

--今後、新たな取り組みとして、考えられていることは何かありますでしょうか?

 

菅野さま 中間層に向けての研修はまだ少ないですね。今後は積極的に実施していきたいと思っています。実際に社長からも中間層に向けたオーダーが出ているんです。

河野さま 中間管理職はいちばんのハードワーカーです。そこでモチベーションを保って次のステップを狙ってもらうことが大事になってきます。今はロールモデルがいないので、中間管理職のメンバーには次のキャリアを目指していってほしいですね。また、そういった方をプッシュして若手と接点を作ることも考えていきたいです。

中間管理職の仕事は、全体を見渡して、周囲との調整スキルが必要です。各支店の潤滑油になっていってほしいのですが、ストレスチェックなどをやると、上手くいってないところがコミュニケーション、特に伝え方の問題なことが多いのが実情です。伝え方ひとつで受け取り方が変わってしまうと思うので、うまくいかないところは中間管理職の伝え方や傾聴姿勢などに原因があるかもしれません。

雑談と相談を足して「雑草」という言葉をある本で読んだことがあり、とても共感を持てました。日々の何気ない会話のなかから、いいアイデアが出てくることもありますからね。

 

 

担当プランナーからひと言

 

福島銀行様のお取組みに関われている事、改めてお礼申し上げます。

 

世の中の変化が目まぐるしい昨今、働く中での求められるスキルやあるべき姿、企業と人の関係もどんどん変わってきています。

まさに福島銀行様は時代の変化を感じており、「傾聴力と対話力」という大きなテーマで悩まれていた、というところからお手伝いをさせていただきました。

所属する人や会社風土、目指す姿によってどのような内容を実施するのかということも変わってきますので、私たちはお客様との打合せの中でコンテンツを一緒に作っていくことを大切にしております。その点についてお褒めいただけた事、大変嬉しく思います。

また、研修を通しての変化は参加者だけではなく、その先にある組織がいい環境になっていくということにも繋がります。

 

引き続き福島銀行様の未来に向けた伴走をさせていただきます。

 

今回は素敵な機会をありがとうございました。

bottom of page