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株式会社東北銀行

2025年5月14日

​​更新日:

女性リーダーのキャリア形成を後押しする「とうぎん型人材」の育成プログラム

東北銀行様は、岩手県民の要望に応える形で、岩手県商工会議所連合会が中心となり、地元企業のための銀行として1950年に設立された「戦後第一号の地方銀行」です。
設立からの強みである中小事業者への支援を一層深め、地域密着型の銀行として創業精神を忘れず、働く人々と経済を支え続けています。

※企業名、担当者肩書き、プログラム名はインタビュー実施時点のものです。

女性行員が管理監督職としてさらに活躍し、後輩の育成にもつながるよう、キャリアアップ支援のための研修プログラムを企画。

この研修を通して、女性行員が自身のキャリアを描き、目標達成に向けて進んでいけるようサポートする。


課題

・女性行員のキャリア支援不足

・人事制度上の制約によるキャリアパスの限界

・研修設計への不安


成果

・女性行員のキャリア意識の向上

・後輩指導への意欲の高まり

・組織全体での取り組み意識の向上



地方銀行を取り巻く経営環境は、人口減少に伴う市場の縮小や金融ビジネスのデジタルシフト、非金融業界からの参入など、さまざまな課題に直面しています。このような変化に適応し、持続的な成長を実現するためには、優秀な人材の育成と確保が不可欠です。


東北銀行様は、意思疎通・課題解決・挑戦の3つの能力を基幹とした「とうぎん型人材」育成のための研修体系を構築し、各階層別、業務別研修に取り組まれています。

本インタビューでは、人事部 部長・三浦克之様、副調査役・渡辺恵昌様、副調査役・松本弘から、弊社がご一緒している女性向けキャリア研修を中心に、人材育成のお取り組みについてうかがいました。

(部署・役職はインタビュー当時)



 目 次 


【導入の課題・背景】人事制度の制約を乗り越え、女性行員の活躍を支える基盤をつくる

【研修実施にあたって】女性行員の前向きなキャリア形成をサポートする研修設計

【研修を実施しての所感】組織の未来を担うプロ意識の醸成

【アイデンティティー・パートナーズに感じる価値】信頼を築き研修を成功へ導いた対話の力

【今後の取り組み】一人ひとりの可能性を最大限活かせる職場改革へ



導入の課題・背景

人事制度の制約を乗り越え、女性行員の活躍を支える基盤をつくる


――はじめに、御行の人材育成やモチベーション向上で注力していることを教えてください。


三浦様:

2022年度からの第一次中期経営計画において、「とうぎん型人材」の育成を掲げ、モチベーションやエンゲージメント向上も含めた人材育成に力を入れています。これは、単なるスキルアップだけでなく、地域社会に貢献できる人材を育成することを目指すものです。


具体的には、Communication(意思疎通)・Conceptual skills(課題解決能力)・Challenge(挑戦)という「3C」の能力を育むための研修プログラムを実施しています。


重視しているのは、単なるスキル習得だけではありません。

東北銀行は「地域金融機関として地域社会の発展に尽くし共に栄える」との経営理念により創業し、人材育成もこの理念に基づいて行われています。

長年地域に根ざし、お客様との信頼関係を築いてきたベテラン行員が持つ、地域への愛着やお客様への奉仕精神といったものを、若手行員に継承することも重要な課題と考えています。


そのため、ベテラン行員と若手行員の交流を促進し、世代間で知識や経験を共有できるような機会を積極的につくっています。また、良い上司の存在は部下のモチベーション向上につながると考えており、上司の育成にも力を入れています。


――今回の研修を導入された背景について教えてください。


松本様:

すべての行員がいきいきと働き、成長できる環境を目指して、これまでも4年目の行員向けにキャリア研修を実施してきました。しかし、ほかの世代へのキャリア支援は十分とはいえない状況でした。

特に、女性行員の活躍が期待される今、管理監督職の女性行員が若手行員のロールモデルとなるよう支援したいと考え、女性向けのキャリア研修を企画しました。


しかし、当行で企画した女性キャリアの研修では、正直なところ、うまくいくか不安な部分がありました。そこで御社に相談することにしました。

さまざまな研修会社様からご連絡がありますが、御社の担当者の方々のことはよく覚えており、親近感がわいていました。

また、女性キャリアの課題は、エリア職とフリー職のキャリアパスが分かれているなどの制度上の問題など複雑な要素が絡み合っていましたが、御社が最も私たちの課題に寄り添ってくれるだろうと思いました。


実際、御社の提案は、当行の「親しみやすい銀行」というイメージにも合致しており、研修の実現に向けて共に歩んでいけるパートナーとして最適だと判断しました。



インタビューはリモートで実施しました。写真左から三浦様、渡辺様、松本様




研修実施にあたって

女性行員の前向きなキャリア形成をサポートする研修設計


――研修の準備段階で懸念点はありましたか?


渡辺様:

御社に相談する前は、人事制度との整合性を図りながら、より効果的なプログラムを設計したいけれど、どのように研修に落とし込めば良いのかわからない状態でした。


また、研修を通して、女性行員が自身の振り返りだけではなく、未来に対して前向きなキャリアを検討してほしいと思っておりました。しかし、人事制度上の制限もあり、結果的に後ろ向きに終わってしまうのではないかという不安があったんです。


御社と打ち合わせを重ねるなかで、私たちが抱えていた女性行員のキャリア開発の課題を、一つひとつ丁寧に聞き出していただき、それに基づいた研修内容をご提案いただけたので有り難かったです。

特に、制度上の制約があるなかでも、より良いキャリアパスを築くための可能性を示唆していただいたことは、大きな励みになりました。


【担当プランナーより】

一番重視したのは、東北銀行様の制度や現状を踏まえた内容での実施という点です。

そのために、制度や受講対象者の方の背景などを詳しく教えていただきました。

変えられるもの、すぐには変えられないもの、そのなかで目標に向けたベストソリューションは何なのか?

この点に集中をして東北銀行様と一緒に設計をさせていただきました。



研修を実施しての所感

組織の未来を担うプロ意識の醸成


――研修を実施してみてのご感想をお聞かせください。


松本様:

参加者は、将来のキャリアや人間としてどう成長したいかなど、より広い視点から自己を見つめられたようです。中期経営計画や「とうぎん型人材」といった概念を踏まえながら、自身の将来について深く考える良い機会になったと思います。

研修後のアンケートでは非常に前向きな意見が多く、今後のキャリアについて具体的な目標を設定できたという声が多数聞かれました。


――参加者の多くが後輩指導に意欲を示していたことに驚きました。組織を牽引するリーダーとしての意識、そして新たなことに挑戦したいという意欲も感じられました。


渡辺様:

研修を通じて、同僚たちのプロ意識の高さに改めて気づかされましたね。

単に自分の仕事をするだけでなく、後輩の育成や組織全体の成長にも貢献したいという強い使命感を持っているのだと思います。

このような優秀な方々を見ていて、女性行員がもっと活躍できたらもっと良い銀行になると思いました。



アイデンティティー・パートナーズに感じる価値

信頼を築き研修を成功へ導いた対話の力


――弊社の担当プランナーはいかがでしたか。


渡辺様:

担当者の方々は非常に話しやすく、研修の疑問点や会社の制度に関する質問にも丁寧に対応していただきました。そのおかげで安心して研修に臨めたのはもちろん、制度に関する問題点を率直に話し合えたことが大きな成果でした。


三浦様:

今回の研修は、女性活躍推進の重要な一歩になったと感じていますね。

アイデンティティー・パートナーズさんと何度も打ち合わせを重ね、お互いを理解し率直な意見交換ができるようになったことが、今回の研修の成功につながったのだと思います。

今後も女性行員が能力を最大限発揮できる環境づくりを目指し、このような取り組みを継続したいです。


松本様:

研修後も担当の方と意見交換を重ねる機会がありました。研修効果や課題について深く話し合え、従来の研修では得られなかった貴重な経験となりました。

アイデンティティー・パートナーズさんのような外部の専門家と連携することで、客観的な視点から研修プログラムを見直し、最新の研修手法やノウハウが学べることは非常に有益だと感じています。今後も積極的に連携を図り、組織全体の成長を目指していきたいです。



今後の取り組み

一人ひとりの可能性を最大限活かせる職場改革へ


――今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか?


三浦様:

今回の研修を通じて、女性行員の活躍推進には人事制度の改定改革が必要不可欠だと痛感しました。男性と女性で仕事内容が偏る傾向にある現状を改善し、全行員が能力を発揮できる環境づくりを目指したいです。

そのため、人事制度の見直しや女性行員向けキャリア支援プログラムの充実に取り組むとともに、行員一人ひとりの意見を反映した職場環境づくりを進めていきたいと思います。


渡辺様:

女性行員の育成をさらに強化し、多様な人材が活躍できる組織を目指していきたいです。

具体的には、研修プログラムの拡充や人事制度の見直しを行い、若手行員がベテラン行員から積極的に学べるような仕組みを導入したいと考えています。メンター制度や世代間交流の機会を設けることで、世代を超えた連携を促進することも視野に入れています。


松本様:

エリア限定の勤務制度が、女性行員のキャリアアップの大きな障壁となっています。特に地方の店舗では人材不足が深刻で、この制度を簡単に変更できない状況ですが、この制度によって女性行員のキャリアに上限が設けられているのは問題です。

今回の研修を通じて、この問題に対する意識がより高まり、制度の見直しに向けた議論が活発化することを期待しています。



■担当プランナーからのメッセージ

研修実施をしていただきまして、ありがとうございました。

実施に向けたお打ち合わせのなかでは、三浦様・渡辺様・松本様と弊社にて、たくさんのディスカッションをしながら設計をさせていただきました。

変化が激しい世の中では、女性活躍等による多様な人材が活躍していくことが企業の価値創造・競争力にもつながっていきます。

東北銀行様が今後さらに女性活躍推進を進めていくなかで、引き続きパートナーとして伴走支援をできますと嬉しいです。




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