コールセンター運営のポイントとは?会社がコールセンターを運営・管理する際のノウハウや課題を解説
- なつき 高橋
- 12 分前
- 読了時間: 10分

「コールセンターを自社で運営したいが運営費が高い」
「コールセンター職員の離職率が高く、求人が大変」
サービスや市場の多様化により、さまざまな業種でコールセンターのニーズが増大していますが、コールセンターの運営管理には、自社の本来業務とは異なる専門のノウハウや人材が必要です。
本コラムでは、コールセンターを運営する場合の基本的なノウハウや立ち上げの手順、解決すべき課題などについて解説します。
【 目 次 】
コールセンターとは?コンタクトセンターとの違い
コールセンター・コンタクトセンターを会社で導入する目的
コールセンターの業務内容
目的の設定と業務プロセス設計
必要なシステムと通信インフラの整備
人材の採用・研修とチーム編成
オペレーターの業務内容と研修ポイント
スーパーバイザー(SV)の役割と育成方法
センター長やマネージャーのマネジメント業務
人員構成や業務量の調節
離職率の高さと求人・採用コスト
運営費コストダウンと外注化
コールセンター運営とは?会社が行う目的と基本業務

コールセンターの立ち上げや運営には、本来の商品製造やサービス提供とは違うノウハウが必要とされます。
はじめに、コールセンターとコンタクトセンターの違い、導入する目的や主な業務内容など、コールセンター運営の基本を確認しておきましょう。
コールセンターとは?コンタクトセンターとの違い
コールセンターとは、顧客との電話応対を専門に行う部門です。対して、コンタクトセンターは電話に加えてメール・チャット・SNSなど複数のチャネルに対応するのが特徴です。
つまり、電話に特化しているのがコールセンター、あらゆるコミュニケーション手段をカバーするのがコンタクトセンターです。 電話対応のコールセンターという言葉は昔からありましたが、近年ではチャットなどインターネットを使った問い合わせのニーズも増加しています。企業によっては、問い合わせ方法の多様化に対応するため、コールセンターを拡張してコンタクトセンターを運営するケースもあります。
一口にコールセンターといっても、顧客対応のチャネルは多様化しており、顧客接点の幅を広げるためには、チャネル対応の違いを理解したうえで、目的に合った体制構築を行うことが重要です。
コールセンター・コンタクトセンターを会社で導入する目的
企業がコールセンターやコンタクトセンターを導入する主な目的は、顧客満足度の向上と業務の効率化です。
コールセンターを導入し、問い合わせやクレーム対応を一元化することで、迅速かつ的確な対応が可能になります。また、電話やメールでの対応履歴を蓄積すれば、製品改善やマーケティングにも活用できるでしょう。
企業の業務内容によっては、セールスやアポイント獲得などアウトバウンド業務において、顧客接点を拡充するためにコールセンターを活用しているところもあります。
コールセンターの業務内容
コールセンターの主な業務は「インバウンド業務」と「アウトバウンド業務」に分けられます。
種類 | 主な業務内容 |
インバウンド | 製品やサービスの問い合わせ 注文受付 クレーム対応 |
アウトバウンド | セールス・営業活動 アポイントメント アンケート |
インバウンド業務では、顧客からの電話に対応し、製品の質問、注文受付、クレーム対応などを行うカスタマーサポートやテクニカルサポートが中心です。 一方、アウトバウンド業務は、企業側から顧客へ電話をかけ、アンケートや営業案内を行います。
また、業務には応対内容の記録、トラブルのエスカレーション、FAQ対応なども含まれます。
コールセンター運営では、こうした業務を正確かつ迅速にこなすことが、顧客の満足度向上と企業の信頼構築に直結します。
コールセンター運営管理に必要なノウハウと立ち上げ手順

コールセンターを効率的かつ安定的に運営するには、明確な目的設定や業務プロセスの設計、適切なシステム・通信インフラの整備、そして人材の採用と育成など、複数の要素をバランスよく整えることが必要です。
これらの準備が不十分なまま運営を開始すると、応対品質の低下や顧客満足度の悪化につながる恐れがあります。
ここでは、コールセンター運営に必要なノウハウと立ち上げの基本ステップを、初めて担当する方にもわかりやすく解説します。
目的の設定と業務プロセス設計
まず、コールセンターの立ち上げでは、目的と業務プロセスを明確にすることが重要です。目的が不明確なまま運営を始めると、対応すべき業務範囲や評価指標が曖昧になり、品質や効率に悪影響を及ぼす恐れがあります。
たとえば「顧客満足度の向上」や「売上拡大」が目的であれば、それに応じた対応フローやKPI(重要業績評価指標)を設計するようにしましょう。
業務プロセスは、具体的な作業内容や業務フローを整理して、第三者が見てもわかるようにシンプルに設計することが大切です。
事前にゴールを明確にし、業務フローを整理しておくことで、安定した運営と継続的な改善が可能になります。
必要なシステムと通信インフラの整備
コールセンター運営には、業務に適したシステムや通信インフラの整備が欠かせません。コールセンターの業務は、通話品質や応対記録、顧客情報の管理など、すべてシステムを通じて行われるため、インフラ整備が運営の土台になるのです。
コールセンター運営に必要なシステムには、主に以下のようなものが挙げられます。
CTI (Computer Telephony Integration) | 電話とコンピュータシステムの連携 |
CRM (Customer Relationship Management) | 顧客管理 |
通話記録装置 | 通話履歴の保存 |
CTIのなかには、CRMのデータと連携したり、自動的に通話記録ができたりするものもありますので、自社の業務フローやKPIと照らし合わせて適切なシステムを選びましょう。
また、通話環境の安定性を保つため、回線やネットワークの品質も重要です。 こうした設備を整えることで、業務の効率と品質を両立でき、顧客満足度向上にもつながります。
人材の採用・研修とチーム編成
コールセンター運営の成否は、人材の質とチーム体制に大きく左右されます。
特に応対品質の安定には、的確な採用と計画的な研修が不可欠です。 まずはコミュニケーション能力やストレス耐性のある人材を採用し、業務知識・対応スキル・システム操作などを研修で習得させます。
さらに、オペレーターをサポートするスーパーバイザー(SV)や、全体を統括するマネージャーを含むチーム編成も重要です。
コールセンター運営に必要な人材、職種と役割については、次の章で詳しく解説します。
コールセンター運営における職種と役割【SV・オペレーター・管理職】

コールセンター運営の鍵は人材です。
コールセンターは主に、オペレーター・スーパーバイザー(SV)・センター長といった役職で構成され、それぞれに明確な役割があります。
オペレーターは顧客対応の最前線を担い、SVはそのサポートを行います。センター長は全体のマネジメントや方針決定を行う責任者です。
業務の特性や規模に応じた体制を整えることで、対応スピードや品質の向上につながります。的確な人員配置と管理が、成果を左右するといえるでしょう。
オペレーターの業務内容と研修ポイント
オペレーターは、コールセンターにおいて最前線で顧客と接する役割を担っています。
具体的には、電話やメールでの問い合わせ対応、苦情処理、商品やサービスの案内などが主な業務です。高品質な対応を実現するには、業務知識だけでなく、敬語の使い方や傾聴スキルなど、実践的なコミュニケーション能力も求められます。
そのため、配属前には業務マニュアルの理解だけでなく、ロールプレイなどを通じた実践的な研修が不可欠です。
スーパーバイザー(SV)の役割と育成方法
スーパーバイザー(SV)は、オペレーターを管理・指導する中間管理職です。
SVの役割は企業やセンターによって異なりますが、例えば以下のようなものが挙げられます。
オペレーターのシフト管理
対応品質のモニタリング
クレーム対応のフォロー
オペレーターの教育・評価
業務フロー改善の提案
中間管理職にあたるSVの力量は、現場の士気やオペレーターのモチベーションを大きく左右します。SVを育成するには、現場経験を重ねながらマネジメント能力を高めていくことが必要です。
現場任せにするのではなく、企業側が定期的な勉強会やロールプレイを実施するなど、判断力や指導スキルを磨いていく機会を提供するようにしましょう。
センター長やマネージャーのマネジメント業務
センター長やマネージャーは、コールセンター全体の運営と戦略的な意思決定を担う管理職です。センター長やマネージャーの管理業務は以下のように多岐にわたります。
KPIの設定・分析
人員配置の最適化
SVの育成
収支・予算管理
組織の課題抽出と改善施策の立案
センター長やマネージャーは、社内外との調整役として、経営層や他部署との連携も求められます。現場把握に加えて、経営視点での判断力と高いコミュニケーション能力が必要です。
コールセンター運営の課題とは
コールセンターの運営においては、安定的な人員配置や業務量の調整、離職対策、コストの最適化など、複数の課題が存在します。
最後に、コールセンターの運営現場で多くの企業が直面している課題とその背景について、項目ごとに整理して解説します。
人員構成や業務量の調節
コールセンターでは、時間帯や曜日、イベント・キャンペーンの有無などによって問い合わせ件数が変動するため、柔軟な人員配置が求められます。
人員が不足すれば顧客対応の質が低下し、過剰であればコストが膨らむため、適正なシフト設計が不可欠です。繁忙期やキャンペーン期間は、業務量の急増に対応できる体制が必要となります。
過去のデータ分析や予測に基づいて、計画的な要員体制を構築することが重要です。
離職率の高さと求人・採用コスト
コールセンターは離職率が高く、人材確保に課題を抱える業界です。理由としては、クレーム対応など精神的な負担の大きさや、キャリアパスが見えにくいことが挙げられます。
結果として、求人・採用活動にかかるコストが増大し、業務の引き継ぎや再教育にも時間と費用がかかります。
定着率を高めるには、適切な業務分担と教育環境の整備、メンタルケアやエンゲージメント向上が重要です。
運営費コストダウンと外注化
コールセンター運営では、人件費やシステム維持費など多くのコストが発生します。これらを削減する手段として、外部の委託会社へ業務を委ねる外注化を行っている企業が増えています。
外注化により運営コストを抑えた場合、自社の品質・サービス基準やブランドイメージを保てるかどうかが課題となります。
上手にコストダウンしながら、サービスの品質やイメージを落とさないよう、アウトソーシング先は慎重に選ぶ必要があります。
【まとめ】コールセンターを効果的に運営するために
コールセンターの運営ノウハウの基本、運営のポイントなどを解説しました。
コールセンターを効果的に運営するためには、目的と業務プロセスを明確にし、業務に適したシステムや通信インフラの整備をすることが大切です。
コールセンターはエンドユーザーと直接コンタクトをとる貴重な機会となるため、CS
(顧客満足度)向上やマーケティングデータ収集にも活用できます。コールセンターの効率的な運営は、コスト削減だけでなく、企業のサービス品質やブランドイメージ向上という観点からも重要です。
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