「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」
専任講師の齊藤です。
最近、ある企業の人事のご担当者から伺った営業現場の話です。
「若手リーダーがメンバーとの関係性に悩んでいる。
昇格してリーダーとなってメンバーとの距離感をうまく保てず関係がぎくしゃくしている。
結果、チームとして機能できていないんだよね」
現場の上長の方は、若手のリーダー育成に頭を悩ませています。
そんな現状を踏まえて、今回は若手リーダーが陥りがちな落とし穴についてお伝えします。
【 目 次 】
若手リーダーが抱える抵抗感
昇格してリーダーとなることに抵抗感を示す人は少なくありません。
若い世代ではとくにその傾向が顕著です。
抵抗感の1つに“心理的葛藤”があります。
「明確な指摘をすると、メンバーに引かれてしまうのではないか」
「厳しく指導したら、メンバーが離れていくかもしれない…」
それゆえか、チームの人間関係を円滑にしなければならないと思っている(思い込んでいる)リーダーは意外と多いのです。
リーダーになりたての時期にありがちな行動
リーダーになりたての時によく見られる行動として、
・メンバーの誕生日にコメントを送る
・チームでのレクリエーションを多くする
などがあります。
「チームの雰囲気が良くなれば、成果が出る」
という思い込みがこのような行動を生むのですが、上記のような行動が成果に直結するかというと必ずしもそうではありません。
なぜなら、このリーダーは
「メンバーの感情をマネジメントしようとしている」
からです。
中には自分が距離を置かれる存在となってしまったある種の“孤独感”を埋めようとする行為の裏返しというケースもあります。
このケースの場合、ほぼ人はついていきません。
リーダーが集中すべきたったひとつのこと
チームの雰囲気がよくなるから成果が出るわけではなく、成果が出るからチームが活性化し、結果として雰囲気がよくなります。
リーダーはその成果を出すためにメンバーの行動についてのマネジメントにまずは集中すべきなのです。
私自身も30歳で数名のメンバーがいるグループのリーダーとなったところから少しずつマネジメントの範囲が広がり、最大340名の組織の部門長を経験。
そのプロセスの中で手痛い失敗をたくさんしてきました。
だからこそ、若手のリーダーに言いたいのです。
「いい人」にならなくていい、なろうとしなくていい。
「いい人」になろうとしなくても、メンバーとは良い意味での線引きをし、一定の距離感を保ち、メンバーの本質的な成長に寄与できるリーダーであればメンバーはついてくるものなのです。
▼この記事を書いた人
齊藤 理美(さいとう まさみ)
「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」専任講師&コーチ
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