「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナーのかなえです。
この仕事を通して、自分と力の差がある人、価値観の違う人、いろいろな人とのコミュニケーションを通して気が付いたことを本日はシェアしたいと思います。
【 目 次 】
なぜ価値があると判断したのか
まず質問です。
誰かから教わったこと、感謝していることはありますか。きっと誰かの顔が浮かび、なにかしら思い出すと思います。
ではどうして、それらが記憶に残っているのだと思いますか。私は最近、どんなにいい言葉も「心に残ること」と「残らないこと」があり、その差は何だろうと考えていました。
読者の皆様も、時に先輩として、友人として、親として、立場を変えて誰かを支え、相談に乗ったりアドバイスをしたり、励ましたりすることもあると思います。
自分の何気ない一言が相手に影響を与え、後々「あの時、あなたがこう言ってくれたから」と感謝されることもあれば、自分はいいアドバイスや言葉を与えたつもりでも、まったく相手に影響を与えられなかった、という経験はありませんか。
動かされた心に刺さる言葉と、そうではない言葉
私は組織開発、人材開発のプランナーです。世間一般では営業と呼ばれる職種です。たくさんの人とかかわりあいながら仕事をすすめるうえで、「人の心を動かす」力がとても重要だと実感しています。
人の心を動かすには、まず人を知ること、そしてその前にすべては内省から、と私は考えています。ですから、自分という「唯一、内側にある真実を知ることのできるサンプル」の感情の変化を私はいつも観察しています。
そして「心に響く言葉」の重要な点は
・相手の価値観を理解したうえの言葉か。
・自分の伝えたいことを、相手の価値観とリンクさせて伝えることができているか。
この2点だと気付きました。
家族や身近な人の中でのコミュニケーションにすれ違いが起きているとしたら、この2点が欠けているかもしれません。
「相手の価値観を理解する」これは言葉以上に難しいことです。
自分のバイアスが強いと、相手の言葉をそのままでは「理解できない」からです。
経験や知識が少ないこともあると思いますが、原因は様々なので、その話はいったんここでは置いておきたいと思います。
さて、話を戻し、私の中にグッと刺さる言葉をくれた人々。
考えると力がわいてくる。一言。
そういう言葉をくれた人は、私の価値観を感じ取り、私宛に表現を整え、心に届けてくれたのだと感じます。
一方で、「すごい」と思われたい、とか「いい人」でありたい、と発言者が思うとき、その言葉はなんとなく、言われないよりはいい、くらいの価値としてか心にのこらず、「人の心を動かす」には至らないのかもしれないと感じています。
営業活動でいうと、今月の目標が自分の中で最優先事項になってしまっている状態の時などもそうかもしれません。
価値を提供するときに重要なこと
今回のコラムのタイトルは
「心に届く言葉の紡ぎ方」としました。
どんな「良いこと」も、相手の価値観に沿っていなければ、価値を感じてもらえないのは、
人間づきあいも営業も一緒だと思います。
自分が「絶対これはいいことだ!」と思っていることも、相手が重要視しているのはそこではないかもしれません。
まっすぐに受け取る、まっすぐに届ける、というのは、想像以上に難しいことです。自分の思いこみがどれほどのバイアスを生むのか。
目で見えているものすら、認識できないことがあるのが人間だということを常々忘れないようにしなくては、と思います。
私の仕事の難しさは、目の前にいる方の価値観だけでとどまってはいけないという点です。
組織の価値観を理解し、支援していくのは、本当に難しいことです。
ですが、私のような凡人でもできると感じています。
そのためには、まず自社をできるかぎり客観的に観察する。それは組織レベルの内省なのだと気が付きました。良いところも悪いところもバイアスをかけずに「そのまま」理解することです。
とあるベテラン人材育成のご担当者さまからおもしろいお話しを伺いました。営業にきたコンサルタントに、「御社の課題は何か」と聞いたところ「自社はすべてうまくいっている」という趣旨の答えだったので、商談を打ち切ってしまったというエピソードです。
このエピソードから、日々の個人、組織レベルの内省から学んだことこそが、きっとどの企業でもお力になれるプランニングの一助になると思い、日々アンテナを張っています。
さて、今日のコラムはこれでおしまいです。いかがでしょうか。
まずは身近な人の言葉に本当に耳を傾けることができているか。まっすぐに受け取ることができているのか。
ちょっと気にしてみてほしいなと思います。
私は、過去の経験から「思い込む」ことも多く、日々生まれるバイアスから開放されてまっすぐに受け取り届けることは、なかなか難しいと感じています。しかし、絆や思いやりに助けられて気が付けなかったことに気が付くことも多く、人とのつながり、コミュニケーションの大切さを日々改めて感じています。
▼この記事を書いた人
藤本かなえ(ふじもと かなえ)
「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナー
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