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やりたいことがわからないのはなぜ?3つの軸で整理して「心理的成功」を得る方法

  • 14 時間前
  • 読了時間: 11分


「キャリアの方向性を決めるのは、やりたいことを見つけてから」この言葉を上司や先輩から言われたり、何かで見聞きしたことはありませんか? しかし現実には、「やりたいこと」が明確にある人のほうが少数派です。特に、経験を積み一定の成果も出してきた中堅層にとって、「やりたいこと」という問いはむしろ重荷になっていることがあります。


本記事では、なぜ「やりたいこと」がわからなくなるのかを構造的に解説し、それを整理するための実践的な視点として、Wants・Hands・Needsという3つの軸を紹介します。 より良い人生を目指す方々にとって、自分のキャリアを再設計するための起点となれば幸いです。


【 目 次 】


「やりたいこと」がわからないのはなぜか

「やりたいことが見つからない」という状態は、能力の問題でも、意識の低さの問題でもありません。むしろその多くは、「やりたいこと」という問いの立て方そのものに無理があることから生じています。

ここでは、中堅層が陥りやすい5つの構造的な理由を整理します。


理由1:「やりたいこと=情熱を燃やせる天職」といった思い込み

「やりたいことがわからない」という悩みの多くは、「やりたいこと」に対して過剰な意味づけをしていることに起因します。

「心底打ち込める天職を見つけなければならない」「仕事は情熱を持って取り組めるものでなければならない」こうした理想が高いほど、現在の仕事との乖離が大きく感じられ、「自分にはやりたいことがない」という結論に辿り着きやすくなります。

やりたいことは、最初から熱量を伴って「発見」されるものではありません。実際には、取り組むなかで少しずつ形成され、深まっていくものです。まずその前提を緩めることが、探求の出発点になります。


理由2:日常の業務に追われ、自分と向き合う時間がない

業務負荷が高く、日々やるべきことに追われている状態が続くと、「自分はどうありたいか」を内省する時間が確保できず、やりたいことを考える認知的なゆとりそのものが失われてしまいます。

「忙しいから考えられない」という状態は怠慢ではなく、構造的な問題です。意識的に自分と向き合う時間と場を設けることが、まず必要です。


理由3:他者の期待に応え続けてきた結果、自分の軸を見失う

中堅のビジネスパーソンは、「期待に応える」ことで評価を得てきた経験が多いものです。組織から求められる役割をこなし、上司の期待に応え、チームをリードする。これを繰り返すなかで、いつしか「自分は何がしたいのか」という問いへの感度が鈍くなっていることがあります。

「他者のニーズに応えること」と「自分がやりたいこと」がズレたまま時間が経過すると、自分の内側の声が聞こえにくくなるのは自然なことです。


理由4:成功体験が「現状維持」の引力になっている

経験を積んだ中堅層に特有の問題として、過去の成功体験が無意識の足かせになるケースがあります。「これまでこのやり方でうまくいってきた」という確信が、新しい方向性への踏み出しを阻みます。

成功パターンに依存することは安定をもたらしますが、変化の激しい環境では適応力を損なうリスクもあります。やりたいことが見えないとすれば、それは成功体験という「心地よい制約」のなかに思考が閉じているサインかもしれません。


理由5:失敗への恐れが選択肢を狭めている

「やってみたいことがあっても、失敗したらどうしよう」「今の立場やキャリアを損なうかもしれない」こうした恐れが、やりたいことの選択肢を内側から削っていることがあります。すでに積み上げてきた実績やポジションがあると、「失敗によって失いたくない」という心理が働くのは当然のこと。

やりたいことが見えないとき、それはやりたいことが「存在しない」のではなく、「恐れによって見えにくくなっている」状態であることが多いのです。



「やりたいこと」の前に必要なこと:自己規定という視点

やりたいことを考える前に、まず必要なことがあります。 それは「自分はどういう人間か」「何を大切にして生きているか」という、自分自身についての基本的な定義、いわゆる自己規定を持つことです。

自己規定とは、「私はこういう価値観を持ち、こういう強みを持ち、こういう状態のときに力が湧く人間だ」というセルフイメージの言語化です。これが明確であれば、キャリアの選択場面で「これは自分らしいか」という判断軸が生まれます。逆に自己規定が曖昧なままでは、外部の評価や他者の期待に引っ張られやすくなり、「自分のキャリアのはずなのに、誰かのシナリオを生きている」という感覚が続きます。

自己規定は一度で完成するものではありませんし、経験によって変化するものでもあります。しかし、「自分はどんな人間か」を問い続けること自体が、やりたいことを発見するための土台になります。自己分析ツールの結果を「情報」として活用しながら、それを自分の言葉で再解釈し、自分なりの定義を持つこと。これがやりたいこと探しの第一歩であり、次に紹介する、Wants・Hands・Needsの3軸整理の前提となります。



Wants・Hands・Needsという3つの軸

「やりたいこと」という問いを漠然と追いかけるのではなく、それを3つの具体的な軸に分解して考えることが有効です。 それがWants(価値観)・Hands(経験・能力・特性)・Needs(組織や社会の期待)です。


Wants:自分が大切にしていること・価値観

Wantsとは、自分が仕事や人生のなかで大切にしていること、何のために働いているかという価値観の軸です。「やりたいこと」という表現で語られることが多いですが、より正確には「こうありたいという状態」や「こういう貢献をしたいという志向」を指します。

重要なのは、Wantsは「好き嫌い」の感情ではなく、自分の経験の中で繰り返し現れる一貫した傾向として現れるという点です。「こういう状況のときに自分は力が湧く」「こういう役割を担っているときにエネルギーが満ちている」という観察の積み重ねから、Wantsの輪郭は浮かび上がってきます。


Hands:自分が持っている経験・能力・特性

Handsとは、自分がこれまで積み上げてきた経験、身につけてきた能力、先天的・後天的な特性の総体です。スキルや資格といった目に見えるものだけでなく、「どんな環境でどんな判断をしてきたか」「どんな困難をどう乗り越えてきたか」という経験の文脈も含まれます。

特に中堅クラスの場合、Handsは豊富に蓄積されているはずです。しかし「あって当然」と思っているために棚卸しができておらず、自分の強みを過小評価しているケースが多く見られます。Handsを丁寧に言語化することは、自己規定を深めると同時に、Wantsとの接続点を見つけるための重要な作業です。


Needs:組織や社会から期待されていること

Needsとは、自分の所属する組織・チームが今何を必要としているか、あるいは社会全体がどのような価値や人材を求めているかという、外部からの期待の軸です。

キャリアは個人の内側だけで完結しません。どれだけ深いWantsを持ち、豊かなHandsを持っていても、それが組織や社会のNeedsと結びついていなければ、キャリアとして機能しません。逆に、Needsだけに応え続けてWantsを置き去りにすると、「求められることはやっているのに満たされない」という状態に陥ります。


3つの軸を「重ねる」ことの意味

Wants・Hands・Needsは、それぞれ単独で考えるより、3つが重なる領域を探すプロセスに価値があります。

3つが重なる部分とは、「自分が大切にしていること(Wants)を体現しながら、自分の強み(Hands)を活かし、組織や社会から求められる役割(Needs)を果たせる状態」です。この状態においてこそ、仕事は「やらされ感」ではなく「やり甲斐」として経験されます。

多くのキャリアの悩みは、この3つのバランスが崩れているときに生じます。Needsだけが大きく膨らんで(期待に応えることに全力を注いで)いる場合、あるいはWantsだけに閉じて(自分の価値観だけを追いかけて)いる場合、どちらも持続可能なキャリアにはなりません。

「やりたいことがわからない」という状態は、この3つの軸が統合されていない状態のシグナルだと捉えることができます。



「心理的成功」と内発的動機づけ

Wants・Hands・Needsの3軸を統合する目的は、究極的には「心理的成功」の実現にあります。心理的成功とは、給与・役職・肩書きといった外部的な報酬(社会的成功)ではなく、「自分が達成感を持てている状態」、つまり仕事や人生の中で自分が大切にしていることを体現できているという実感のことです。


例えば、ハイクラスキャリアを積んでいる人のなかには、客観的には輝かしい実績を持ちながら、内側では充足感を持てていない方が少なくありません。これは能力の問題ではなく、社会的成功の基準で自分を評価しながら、心理的成功を求めているという構造的な矛盾から来ていることがほとんどです。

Wants・Hands・Needsを整理し、3つが重なる部分でキャリアを設計することは、外部からの評価軸ではなく、自分の内側に評価軸を持つキャリア観への移行を意味します。これが、「やらなければならない」ではなく「やりたい、やり遂げたい」という内側からのエネルギー(内発的動機づけ)の源泉となります。


内発的動機づけに基づいたキャリアは、変化の激しい環境においても安定したエネルギーを生み出します。組織にとっても、内側から動く人材のほうが長期的に高いパフォーマンスを発揮することは、多くの研究が示しています。



「健全なハングリー精神」という推進力


内発的動機づけと深く関わるもうひとつの概念が、「健全なハングリー精神」です。

これは、現状に対して漠然とした不満を持つ「ネガティブなハングリー」とは異なります。「自分の理想と現在地の間にギャップがある」「まだできていないことがある」という前向きな緊張感のことです。このギャップを「不足」ではなく「伸びしろ」として捉え直せたとき、それはキャリアを動かす推進力になります。


Wants・Hands・Needsの3軸を整理することは、この「健全なハングリー精神」の源泉を見つけることでもあります。

「自分はここを目指したい(Wants)」

「今の自分にはこれがある(Hands)」

「組織はここを必要としている(Needs)


この3つが交差するところに、前向きな緊張感の生まれる場所があります。



まとめ:「やりたいこと」探しをやめ、3軸で考える

「やりたいことがわからない」という悩みに対して、いくら「やりたいこと探し」を続けても解決しない場合が多いのは、問いの立て方に問題があるからです。

本記事で整理してきた内容を振り返ると、次のようなことが見えてきます。

やりたいことは「発見するもの」ではなく、「経験と内省と対話の中で形成されていくもの」です。その形成を助けるのが、Wants(価値観)・Hands(経験・能力)・Needs(組織や社会の期待)という3つの軸を統合的に考えること、そして「自分はどういう人間か」という自己規定を持つことです。


3つの軸が重なる部分を探す過程は、単なる自己分析を超えて、「自分のキャリアを自分の言葉で語れる状態」を作り出します。その状態こそが、変化の時代における真のキャリアの安定であり、心理的成功への入口です。

「やりたいことがわからない」は、出発点として何も恥ずかしいことではありません。それはむしろ、自分のキャリアを本気で考えている証拠です。その問いを、3軸の整理という具体的な作業に変えることで、キャリアは少しずつ動き始めます。



【サービスご案内】クリエイティブキャリア

「やりたいことがわからない」「Wants・Hands・Needsを整理したいが一人では難しい」とお悩みの方、または組織のキャリア自律支援・エンゲージメント向上に課題を感じている人事・組織開発担当者の方に、クリエイティブキャリアをご紹介します。


クリエイティブキャリアとは

クリエイティブキャリアは、「心理的成功」を軸とした内発的動機づけを高めるキャリア研修プログラムです。個人の経験・価値観(Wants・Hands)を深掘りするだけでなく、組織からの期待(Needs)や社会変化のトレンドと統合することで、自分らしく、かつ組織・社会とつながるキャリアを設計することを支援します。


こんな課題に応えます

  • 「やりたいことがわからない」という社員が多く、キャリア面談が機能していない

  • 自己分析研修をやっても行動変容につながらない

  • 社員が「やらされ感」でキャリアを考えており、主体性が育たない

  • 社員のエンゲージメントが低く、離職・定着に課題がある


プログラムの特長

1. 対話によってWants・Handsを深く掘り下げる

独自のワークで、スキルや職歴の表面を超えた真の価値観と強みを引き出します。対話のプロである講師が、参加者一人ひとりの内発的動機に近づくプロセスをファシリテートします。


2. Needsとの統合でキャリアに方向性を生む

組織からの期待と社会変化のトレンドを取り込み、個人のWants・HandsをNeedsと接続させます。「個人のありたい姿」と「組織のあるべき姿」を対立ではなく統合として捉え直す視点を提供します。


3. 心理的成功を軸にしたキャリアプランの設計 

社会的成功の物差しではなく、自分の内側の充実感を評価軸とするキャリア観への転換を支援します。プログラムを通じ、参加者が「自分のキャリアを自分の言葉で語れる状態」を目指します。


4. 未来志向の思考力を養う 

社会変化の情報を活用し、変化を「脅威」ではなく「キャリア再設計の機会」として取り込む思考力を育てます。


詳しいプログラム内容・お問い合わせは、以下のページをご覧ください。

▼クリエイティブキャリア 詳細


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