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「経験学習サイクル」と「経験資源の配分」


ずっと働ける職場には「ポジティブな助け合い」がある

皆さん、こんにちは。WMS研究員のこがねんです。


普段は事業会社で人材開発・組織開発の責任者をするかたわら、個人でも人材開発・組織開発のアドバイザリーをしています。


今日は人材開発の進め方についてお伝えしたいと思います。

突然ですが皆さんは「人材開発において最も重要なことは何ですか?」と訊かれたらどう答えますか?「ゴールを決めること」「計測指標を決めること」など色々な答えがあると思いますが、私はこの質問をされる度に「経験学習サイクルを回すこと」と答えています。



 

【 目 次 】

 

経験学習サイクルとは


経験学習サイクルとは、人が経験から学びを得るプロセスをモデル化したもので、組織行動学者のデイビッド・コルブによって提唱されました。



人は何かを「経験」したら、その経験を「内省」(振り返り)して、「概念化」(自分なりの教訓や持論に変える)した上で、次の「実践」に向かうことで、よりよい「経験」を得てまた学びに変えていく。これが経験学習サイクルです。


経験から学べる人は「定期的に振り返っている」の一点に尽きるということを、このモデルは教えてくれています。

とてもシンプルなフレームワークで、一見すると当たり前のことを言っているようでもあります。しかしながら、実際にどれくらい「経験を振り返る機会」を持てているでしょうか。


仕事終わりに「今日の仕事は上手くいったな」「上手くいかなかったな」といった感想を持つことはあるかもしれませんが、これは振り返っていることにはなりません。「上手くいったなー。なんで上手くいったんだろう」「上手くいかなかったなー。なんで上手くいかなかったんだろう」とその理由まで深堀して初めて振り返ったことになります。


経験学習と1on1の関係


また、人はこうして一人で自問自答して振り返ることも出来ますが、これには限界があります。あくまでも自分の思い出せる情報だけで経験の振り返りをしているからです。これを解決する方法が「人から問いかけられる機会」を持つことです。


企業における人材開発では「1on1」がその代表的な場になると思います。1on1は上長が部下の話を聴くことで部下の目標達成や成長を支援する場ですが、その本質は「部下の経験学習サイクルを回すこと」です。


図にすると以下のような関係です。上長は1on1を通じて、部下が自分では思いつかない角度から質問をすることで、部下が経験をより効果的に振り返り(内省)、そこからより多くの気づきを得る(概念化)ように支援をすることが重要です。



「1on1で何を話したらいいのか分からない」という上長や部下の方の話をよく聞きますが、「どうしたら経験を振り返る場にできるか」が重要であることを理解すれば、話のテーマはそれが「業務の進捗」であろうと「プライベートなこと」であろうと「単なる雑談」であろうと、実は問題ないということも分かるかと思います。


いずれにしても人は仕事をする限り、何かしら経験を重ねるわけですから、企業内で人を育てる仕組みをつくっていく場面では、経験学習サイクルを意識して、1on1のような関連施策を絡ませていくことが、人材開発の重要な軸になると考えています。


経験資源の配分


もう一つ、この記事でお伝えしておきたいキーワードがあります。それは「経験資源の配分」という考え方です。


「経験資源」とは「他でもないその人にだからこそ、分け与えられるべき経験という名の経営資源」のことで、仕事をただの作業分担ではなく、経験資源視点で適切に配分していくことで、人材開発に繋がるジョブアサインが実現するという考え方です。


図にすると以下のような関係です。その人の成長にとって効果的な経験資源を配分することで、経験学習サイクルの「実践」と「経験」がより良いものになり、1on1を通じて「内省」と「概念化」が支援される。この挟み撃ちのような構図で経験学習サイクルを回していくことが重要です。



では、どうしたら「経験資源の配分」は上手くいくのか。ポイントは「翻訳と接続」にあると思っています。「会社のミッション・ビジョン・バリュー」と「担当してもらう仕事」を翻訳して接続する。「部門の戦略や目標」と「個人目標」を翻訳して接続する。「本人のキャリア志向やキャリアプラン」と「取り組んでもらう仕事」を翻訳して接続する。こうして組織として目指すものやその人本人が中長期的に目指しているものと、今の仕事を繋ぎこんでいくことで仕事は「作業」から「経験資源」になっていくと考えています。


今回は「経験学習サイクル」「1on1」「経験資源の配分」というフレームをご紹介しました。


人材開発・組織開発は、人や組織に関する課題発見や解決をサポートしていく仕事です。人や組織に関する仕事は、変数も多く、KGIやKPIに落とし込みづらいことなどから、「正解がない仕事」と言われがちですが、こうしてフレームで理解し、仕組みを設計していくことで効果的に進めていくことができます。


いかがでしたでしょうか。皆さんにとってヒントになる情報になっていれば嬉しいです。また、お読みいただいてお気付きの点があれば是非弊社まで、ご連絡いただければ幸いです。


それでは、また。


この記事を書いた人 こがねん SBIビジネス・イノベーター株式会社 「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」

研究員


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