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人材育成の成功のカギは、育成者が成長したいという”きっかけ作り”


自己認識の差で職場の働き方が変わる

新しい年度が始まると、多くの人々が心機一転、新たな目標に向けての意欲に満ちています。この時期は、人が成長し進化する絶好の機会となります。


 組織も同様に、新年度のスタート時は、マネージャーや育成担当者が関わる部下や後輩の自己成長を促進し、組織全体の生産性向上につなげやすいタイミングでもあります。


今回はそのためのアプローチについて考えてみましょう。


※文章内では、教える側である上司や育成担当者のことを「育成者」、教わる側である部下や後輩のことを「学習者」と表記させていただくことがあります。




 

【 目 次 】

 

【最初に】学習者の成長の環境を整える

 最初に育成者が意識すべきことは学習者に「成長の渇き」をつくることです。つまり、


「今年こそ、●●ができるようになりたい/●●をやめたい」


 という自分が成長したい気持ちを高めていくことが大切です。この時に注意が必要です。すぐに育成者が部下や後輩の課題を探し、それをどう克服させるかと本人よりも盛り上がってしまうことです。

周囲が課題を特定し解決することを強制的に進めていくと、学習者には心理的抵抗が働くという傾向があります。そこで意識的に取り組みたいことは、以下の2つがあります。





【次に】本人と上司や育成担当者の相互の期待を確認する

 育成者は、まず学習者に「いつまでにどのような成果を期待しているか」といった目標を共有します。


 できればその期待は、具体的かつ頑張って達成可能なものにします。それをもとに学習者は、自分が目指したい目標を具体的にイメージし始めます。


 学習者が具体的に目指す目標をイメージするためには、必ず自分で目標を考えさせることが重要です。学習者が目標を独力で考えられない場合に、初めて育成者が関わります。このとき、育成者が強制したものだとつたわらないよう、学習者が取り組みたい目標を丁寧に傾聴することが大切です。)


【その次に】個別の強みと興味を理解する

 もう1つは、育成者は学習者である部下、後輩、新人の個別の強みや興味を理解することです。


 その強みや興味を活かせる仕事の機会を提供します。ただし、担当業務でその強みや興味に近いものが今は見当たらないということもあります。


 その場合は学習者が得意とするもの、比較的興味があるものを一緒に考えます。つまり学習者が成長感を持てることで、モチベーションが高まり、成果を上げやすくなるからです。






【最後に】実行を応援&支援する

 ここまでくると、学習者は不安を抱えながらも、一歩前に踏み出し実行することが重要です。


 誰でも経験が浅いものは、実行してもしばらくうまくいかないことが多いものです。そのときは丁寧に良い点を見つけだすことと、改善すべき点はしぼってフィードバックをすることです。


 このフィードバックの姿勢が最も重要です。忘れてはいけないのは「相手は頑張っている、必ず成長する」と相手の可能性を信じ続けることです。粘り強く関わることで、学習者の独り立ちは遠くないでしょう。



 今回お伝えした内容は、育成者にはちょっとした取り組みですが、学習者にとっては勇気を持てる関わりになります。新しい能力やスキルを習得したい学習者の成長を促すため、少しでもご参考にしていただければ幸いです。




 

▼この記事を書いた人

頼木 康弘(よりき やすひろ)

「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナー

副センター長/専任講師/コーチ

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