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マネジメントとリーダーシップの違い・関係性とは?ドラッカーやコッター理論から両立のポイントまで解説

  • 執筆者の写真: マーケティングチーム SBIBI
    マーケティングチーム SBIBI
  • 11月12日
  • 読了時間: 9分

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マネジメントとリーダーシップは似た言葉として使われますが、実際には役割や視点に明確な違いがあります。

本コラムでは、両者の違いや関係性を整理し、ドラッカーやコッターの理論を踏まえながら、企業で両立させるための方法や実践的なスキル習得のポイントを解説します。


【 目 次 】

  マネジメントの定義と役割

  リーダーシップの定義と役割

  目標達成に向けた役割と視点の違い

  両者の関係性と相互作用

  ドラッカー流マネジメントとリーダーシップ

  コッターの変革型リーダーシップ理論

  マネジメントとリーダーシップを両立させる重要性

  リーダーに求められるスキル

  マネージャーに求められるスキル

  研修や実践を通じたスキル習得の方法



マネジメントとリーダーシップの違いと関係

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マネジメントとリーダーシップは混同されやすい概念ですが、それぞれ異なる役割を持ちながら密接に結びついています。違いを理解し、関係性を把握することで、組織を効果的に導けます。


マネジメントの定義と役割

マネジメントとは、組織が掲げる目標を効率的に達成するための手法・プロセスをいいます。

ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を管理し、成果を最大化することを目的として、組織やチームが目標を達成するための効率的な運営の仕組みづくりやサポートをおこないます。


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リーダーシップの定義と役割

リーダーシップは、組織やチームを未来へと導く力であり、人々の自発性ややる気を引き出して方向性を示す行為です。

具体的には、ビジョンを示しメンバーを鼓舞しながら、変革や挑戦を推進することが求められます。

リーダーシップの本質は「人を動かす力」にあり、肩書きや権限よりも個人の価値観や信念、影響力に基づくものです。


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目標達成に向けた役割と視点の違い

マネジメントとリーダーシップはいずれも目標達成を目指しますが、そのアプローチは異なります。

マネジメントは「どのように効率よく実現するか」を重視し、短期から中期の視点で仕組みを整えます。

一方、リーダーシップは「何を目指すか」という方向性を定め、中長期的な視点で未来を描きます。

両者をバランスよく組み合わせることが、持続的な成長には不可欠です。


両者の関係性と相互作用

マネジメントとリーダーシップは対立する概念ではなく、相互に補完し合う関係にあります。

リーダーシップがなければ組織は進むべき方向を見失い、マネジメントがなければその方向を実現する仕組みが機能しません。

たとえば、新規事業を推進する際には、リーダーシップがビジョンを示し、マネジメントが計画を整えます。両者が連動することで、組織は安定と変革を同時に実現できるのです。



ドラッカーとコッターにみるマネジメントとリーダーシップ

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マネジメントとリーダーシップを理解するうえで、経営学の大家であるドラッカーとコッターの理論が参考になります。両者の視点を取り入れることで、実践的に役立つ知識を得られます。


ドラッカー流マネジメントとリーダーシップ

ドラッカーは「マネジメントの父」と呼ばれ、組織の成果を最大化する仕組みづくりを重視しました。彼はマネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具」と定義し、効率や制度設計を中心に考えています。

一方で、リーダーシップについては「カリスマ性や才能ではなく責任を引き受ける姿勢や行動」こそが本質だと説きました。

つまりドラッカーにとって、マネジメントとリーダーシップは切り離されたものではなく、責任ある行動を通じて一体的に機能するものなのです。


※参考:

『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命』P.F.ドラッカー:著 上田 惇生:訳 ダイヤモンド社

『非営利組織の経営』P.F.ドラッカー:著 上田 惇生:訳 ダイヤモンド社


コッターの変革型リーダーシップ理論

ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・コッターは、変革のプロセスにおけるリーダーシップの重要性を強調しました。

コッターは、リーダーシップは「変革を成し遂げる力量」、マネジメントは「複雑な環境にうまく対処する力」と位置付けています。


たとえば、軍隊では平時においては階層の上から下までマネジメントが行き届いている状態が理想です。しかし、ひとたび戦争に突入すれば、それぞれの階層でリーダーシップが必要とされます。

特にビジネス環境の変化の激しい現代、マネジメントだけでは組織は硬直化しやすく、リーダーシップがなければ未来への進化は難しいというのがコッターの変革型リーダーシップ論なのです。


※参考:『リーダーシップ論 いま何をすべきか』ジョン・P・コッター:著 黒田由貴子:訳 ダイヤモンド社


マネジメントとリーダーシップを両立させる重要性

ドラッカーとコッターの理論から導かれる結論は、マネジメントとリーダーシップをバランスよく両立させることの重要性です。

組織の安定と効率を担うマネジメントと、変革や未来志向を担うリーダーシップは、どちらか一方では不十分です。


『リーダーシップ論 いま何をすべきか』でコッターは以下のように述べています。

むしろリーダーシップとマネジメントは、別々の個性を持ちながら、お互いを必要としているといえる。どちらも独自の役割と特徴を持っている。そして複雑さと変化の度合いが増すビジネス環境においては、ともに欠くべからざるものである。

『リーダーシップ論 いま何をすべきか』ジョン・P・コッター:著、黒田由貴子:訳、ダイヤモンド社 より


両者が補完的に機能することで、組織は変化に対応しながら成果を出し続けられるのです。



マネジメントとリーダーシップを両立する方法

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マネジメントとリーダーシップはどちらか一方だけでは十分ではありません。両立のポイントを理解し、必要なスキルを磨くことで、組織の成果を最大化できます。


リーダーに求められるスキル

未来を描きメンバーを導くリーダーになるには、以下のようなスキルが求められます。


  • 判断力・決断力

  • 実行力

  • コミュニケーション力

  • 育成・指導力

  • 精神力


リーダーには、状況を冷静に分析して最適な選択をおこなう「判断力・決断力」が不可欠です。その決断を行動につなげる「実行力」も同時に必要となります。さらに、メンバーと信頼関係を築くコミュニケーション力や人材の育成・指導力も重要です。加えて、困難や変化に直面しても折れない「精神力」があれば、組織は安定し挑戦を続けられます。


これらのスキルが揃うことで、リーダーは真に組織を牽引できる存在となるのです。


マネージャーに求められるスキル

マネージャーには、組織を安定的に運営し成果を最大化するための実務的なスキルが求められます。リーダーに必要とされるコミュニケーション力や育成・指導力に加えて、以下のようなスキルが重要です。


  • 分析力と管理能力

  • 柔軟性

  • セルフマネジメント力


マネージャーには、業務の状況を正確に把握し、課題を明確化する「分析力」と、計画立案や進捗管理をおこなう「管理能力」が求められます。


また、予期せぬトラブルや環境変化に対応するためには「柔軟性」が欠かせません。さらに、自らの感情や時間を適切にコントロールする「セルフマネジメント力」があってこそ、冷静かつ安定した判断ができます。

これらのスキルを発揮することで、マネージャーは組織全体を調整し、チームの目標達成を確実に実現していくことが可能になります。


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研修や実践を通じたスキル習得の方法

リーダーシップとマネジメントのスキルは、理論を学ぶだけでは身につきません。実際の業務での経験や研修を通じて実践的に習得する必要があります。


たとえば、マネジメント研修では進捗管理や組織運営の方法を学び、リーダーシップ研修では人を動かすコミュニケーション技法や意思決定力を磨きます。さらに、日常の業務で挑戦や失敗を重ねることが最大の学びになります。


理論と実践を繰り返すことで、両立したスキルが定着していくのです。



【まとめ】マネジメントとリーダーシップどちらも組織には必要

マネジメントとリーダーシップは混同されがちですが、実際には異なる役割を持ちながらも相互に補完し合う存在です。


マネジメントは組織を安定的に運営し成果を確実に生み出すための管理機能であり、リーダーシップは未来の方向性を示し人を動かす力です。ドラッカーやコッターの理論が示すように、安定と変革の両立が組織成長には不可欠といえます。


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