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お客様と同じ景色を並んで見る――営業パーソンの主体性を育むには




本リレーコラムでは、人材開発・組織開発に携わる方々に向けて、弊社の講師・コンサルタント陣が「個性を生かし、組織を育てる」ことに役立つ情報をお届けします。

アイデンティティー・パートナーズ株式会社の齊藤理美です。


以前、当社にて『セールス・コミュニケーション ~営業パーソンの育て方、ここが一番難しい』と題したセミナーを実施した時のお話です。

セミナーご参加者様より以下のようなコメントをいただきました。


・若手営業パーソンに営業の楽しさを伝えるには?

・自分自身で学ぶきっかけをつくってもらうには?

・営業パーソンのモチベーションを高める方法は?

・営業パーソンの行動力を上げる方法は?

・営業が苦手な社員が多いのが課題…


上記はいずれも営業メンバーに主体的に動いてもらうことの難しさが課題だと思います。


 

【 目 次 】

 

営業パーソンが結果を出すために必要なことは?


よく、メンバーに主体的に動いてもらうためには何が必要か?という議論がなされます。


・目的やゴールが明確であること

・やるべきことに意味があること


などが必要と言われますが、

「すべては仕事の結果が営業パーソンを動かすエンジンになる」と私は断言します。

結果が出れば、仕事は必ず「面白く」なるからです。


そしてその結果を生み出すためには、

ベースとして、お客様との相互のコミュニケーションが必要となります。



成功体験の積み重ねが自信になる


特に若手の営業パーソンには、まず早いうちに1件の受注で成功体験をしてもらうことが先決です。

アプローチ~受注までにはたくさんのプロセスがありますが、その一つひとつのプロセスを積み重ねてようやくたどり着いたゴール、そこまでの一連の行動がどのように作用して成功に至ったのか、要因を自身で振り返る必要があります。


営業の仕事は、

・お客様との関係性を構築し、お客様の課題を引き出す

・お客様の課題解決につながる自社の商品やサービスを提供する

・商品やサービスを通して、お客様に満足していただく


この繰り返しです。


お客様からのご相談や依頼は、営業パーソンにとって最大の“評価”です。

この“評価”を得ている実感値が、行動の原動力になっていきます。


そして、こういったご相談や依頼を受けられるようになるための関係性を紡ぐための相互コミュニケーションがとても大事になるのです。



お客様と同じ景色を並んで見る


お客様とコミュニケーションを取る際、どうしても「対面」(目の前にお客様が存在する状態)となります。

そうすると、向かい合っている緊張感が相互コミュニケーションを邪魔をすることがあります。


若手の営業パーソンに聞いてみますと、

・営業としてなにかを案内しなければならない

・営業として相手より知識や知恵を持っていなければならない

・相手を唸らせるような気の利いたことを言えなければならない


と思い込んでしまっていることがあります。


このような場合、頭の中で「横並びにお互いが座って目の前にある風景を同時に見ている」と考えると、どうでしょうか。


つまり、行きたいゴールを一緒に目の前で描きながら「こんなふうになっていくといいですよね…」と一緒に語り合うイメージです。


このような情景をイメージすると、「~ねばならない」というプレッシャーや意識から少し離れて、目の前のお客様の言っていることに集中できるようになるのではないでしょうか。



横ならびのコミュニケーション


横ならびのコミュニケーション…やってみたことはありますか?


私は過去に営業の先輩から、

「キーパーソンと話をする際には席を替え、ときには横並びに座ってコミュニケーションを取ると、親しくなれたりする」

とアドバイスをいただいたことがあります。


通常、面談や商談のシーンでは机を挟んで相手と向き合っていますが、机を挟まず相手と”横にならんで”話をする…こうすると少し緊張感もやわらぎ、話がしやすくなると言われています。


実際の場ではこのような環境を作るのは、相手との関係性や会議室のレイアウトなど物理的な問題もあり難しいケースもありますが、頭の中で相手が隣に存在するかのようなイメージをするだけで相手との距離が縮まるかもしれません。

 

▼この記事を書いた人

齊藤 理美(さいとう まさみ)

わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所) 専任講師&コーチ

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