今日は意外にも企業の盲点となっている2年目社員の育て方についてまとめてみたいと思います。
この2年目の過ごし方が実はとんでもなく後々への成長に大きな影響を及ぼすことをご存じでしたか?
「社会に出ていよいよ2年目に突入」が見えてきた時期に彼らにどんな意識づけをさせるかで今後の成長ステップが変わってくるのです。
【 目 次 】
若年層の離職
最近、企業様でよく聞く傾向、
「うちは3~4年目の離職が増えていてね…」
「仕事も覚えてきたからそろそろリーダーを任せたいと思っていた矢先に”辞めます”って…」
「彼ら世代が中堅になってこれからの会社を支えていくコア人材にならなきゃいけないのに」
こんなお話をよく聞きます。
なんとなくですが、その対象者は上記にあるように3~4年目くらいが一番多く聞かれる”層”です。
で、その対策としてこの3~4年目層に
・モチベーションを高めるための研修
・優秀な先輩社員との情報共有会
など、なにかしらの手を打っていくというのが多くの企業様でよく見られる傾向です。
ですが、実際にはもっと手前の層で早くから手を打っておくことが必要なのです。
2年目社員の離職の影響度
入社2年目というと、入社後1年間を過ごした中で少しずつ仕事も覚え、これから組織の中で1人前になっていって欲しい層です。
入社2年目、3年目での離職というのは、会社にとっては「採用費+1・2年目の人件費+育成費用」がまるっと損失になり、じつは早期離職以上に組織へのダメージが大きくなります。
上記の状況も踏まえて、入社2年目の離職が発生する原因と対策、また、2年目社員の育成が3年目以降の成長に不可欠な足掛かりとなる理由、2年目社員の育成ポイント等を解説していきたいと思います。
若手社員の育成でお悩みの方は、ぜひご覧ください。
入社2年目って実はほったらかされ層
実は、今回テーマにしている2年目社員は、意外とフォローされていないケースが多いのです。
1年目は入社したてですから4月、半年後の10月、など新入社員研修期間や実務のフォローアップ期間が設定されていることが多いと思います。
1年目はみっちり研修や手厚いフォローを実施するものの、その後は中堅層になるまでなにも手をかけない…という企業様もいらっしゃいますし、新入社員の日々の面倒を見る教育担当者は、2年目ではなく、知識も現場経験もそれなりに豊富な中堅の3~4年目、またはもっと上の5~6年目ににきちんとした教育をさせるように任を与える…という企業様もいらっしゃいます。
つまり、2年目って意外と”ほったらかされ層”なんです。
他の年次に比較して、2年目社員に対してはどうしてもフォローが後手に回りやすくなってしまいがちです。
2年目社員は仕事の基本こそ分かってきたものの、まだまだ1人前とは言えないレベルです。
また、1年目で学んだことを完全に身に付け、高い水準で実践できていないことも多いでしょう。
従って、本来は2年目こそ再度“当たり前基準”の立ち上げをしていかないといけないのですが、実態は“隙間”になりがちという状況があるのです。
辞める原因 3つのポイント
離職を考えてしまう3つのポイントを挙げてみました。
1.上記で上げたような、多くの企業で生じる「教育体系の隙間」
2.新入社員ではなくなるという注目されない寂しさ
3.”この程度でいいんじゃないか”の心理的甘え
2.はよくありがちなパターンですが、次の4月には1期下に新入社員が入ってきて周囲も人事も彼らを迎えるための準備に明け暮れる…自分はというと、まだまだスキル的にも中途半端なのに新入社員ではないからとだんだん相手にされなくなってくる。
ここで感じる”孤独感”のようなものもあると言われています。
また、3.は仕事の慣れからくる甘え。
いわゆる仕事や環境に慣れてきた状態の頃にありがちな傾向、「そこそこできていれば満足」「周りと比べて見劣りしなければOK」という、メンタリティがあったりします。
上記のような「職場の環境×メンタリティ」によって、悪い意味での慣れが生じて飽きやすくなっていることも事実としてあります。
どうやったら2年目の離職を防げますか?
これはもう経験上も言えることなのですが、圧倒的に「後輩の育成に関与させる!」です。
【効果その①】自分に足りない部分が人の育成を通じてわかる!
【効果その➁】後輩の手前、「かっこよくいたい!」という気持ちからとにかく努力する!
この2つの点から、下に後輩をつけることによる力の伸長度合は目を見張るものがあるのです。
2年目に特に研修などの施策を検討されていないなら、ぜひ、新入社員の育成(育成というおおげさなものでなくとも、日々のお世話係でもよいです)に関与させてみてください。
例えば「ブラザー・シスター制度」と呼ばれるような施策です。
ほんとうに研修等を投じるより、よほど伸びることが分かりますよ!
2年目のタイミングで、仕事への慣れから生じる「これぐらいでいいでしょ」メンタリティが固定化してしまい、当たり前レベルが低くなってしまうと、3年目以降の成長に大きな悪影響を及ぼしますし、3年目以降に矯正していくことは困難になります。
2年目に、
「1年目で教えた当たり前が、実務において高い基準で実行される」
状態を作ること、それには、後輩をセットして育成に関わらせることが一番近道だったりします。
早め早めに手を打ちましょう!
というお話でした。
この記事を書いた人 齊藤 理美(さいとう まさみ) SBIビジネス・イノベーター株式会社 「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」専任講師&コーチ |
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