2023年4月入社の新入社員、研修を終えて以降の、現場配属後の様子はいかがでしょうか?中にはまだ研修中で本配属は7月以降にという企業様もあるかと思います。
4月の導入研修は滞りなく進んだけれど、現場に出たら「思っていたのと違う!」となって失敗の連続…。
そんな新入社員を教育する側の現場も、「もっと最初の研修の時点で実践的な内容をやってもらえるとな…」と考えてしまったり、当事者と周囲の戸惑いが交錯するそんな時期ではないかと思います。
今日は、“Z世代の新入社員への関わり方”について考えたいと思います。
【 目 次 】
そもそもZ世代とは?
1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代。
日本では現在だいたい25歳以下くらいの若手層が該当するようです。
小さい頃からデジタル機器を生活の一部として扱い、インターネット、スマートフォン、SNSとともに成長してきている世代で、“デジタルネイティブ”とも言われています。
この世代は、世界人口の約3割を形成する世代でこれからのマーケットやビジネス環境に大きな影響を与えていく層だとも言われています。
Z世代の特徴は?
例えば
やりがいや充実感を得たいと思っている
スペシャリスト志向が強い
自分の能力を高めることに貪欲
自分らしく働きたい
上司や先輩からは丁寧な指導をしてもらいたいと思っている
キャリアに保守的、安定志向
協働、協力し合える環境を望む(競争は望まない)
社会貢献度が高い職種に就きたいと思っている
・・・などなど。当社の新入社員の意識調査からもこんな姿が垣間見れます。
『上司や先輩からは丁寧な指導をしてもらいたいと思っている』
⇒Z世代の彼らは話の内容を理解する力は高いですが、そこに至るまでの丁寧なコミュニケーションをこれまで以上に心掛ける必要があるように思います。
また最後の
『社会貢献度が高い職種に就きたいと思っている』
⇒たくさんの情報に触れているからこそ、社会問題に興味・関心が高い傾向もこの世代ならではの特徴のようです。
Z世代との関わり方①:時間をかけて承認多めに
上記にあるように、『上司や先輩からは丁寧な指導をしてもらいたいと思っている』わけですので、「とりあえず、これをやってほしい」というようなざっくりした指示では彼らはコミュニケーションに不足を感じ、動きにくいのです。
目的
プロセスにおける予見(障壁・課題)と解決策
ゴール
このあたりを指示を出す側が明確に説明できないと、Z世代の新入社員は出された指示を明確に理解しにくく、ついていきにくくなります。
この3年ほどのコロナ禍で就活が進んだ世代にとっては、説明会の参加や面談がオンラインで進められてきたことで、他者と接点を持つことに自信が持てない人が多いとも言われています。
自分が社会に出た時にどのくらい通用するのか、という”自己効力感”がオンライン中心のコミュニケーションによって低くなってしまっていることが特徴としてあります。
そのため、彼らを受け入れる現場は”承認”を意識的に多くする必要があります。
結果だけではなく、頑張ってきたプロセスや仕事に対する姿勢を前向きに評価して「頑張ったね!」「よくできたね!」と承認することが必要です。
Z世代との関わり方②:できるだけ考えさせる
これは研修講師として新入社員を見てきた経験からお伝えします。
研修の中で皆さんへ質問を投げかけて、個人で考えて答えを出してもらうワークをすると、どうなるか。
「●●についてご自身でちょっと考えて自分なりの答えをシートに書き込んでください」
…しばらく場が静かになり、皆それぞれ考えているのかな~と見回ってみますと、机の下あたりで見えないようにスマホを操作し、ネット検索を始める人たちが必ずいます。
彼らはデジタルリテラシーが高いこともあり効率的に回答を探すということにとても長けていますので、まずは答えを探そうとします。
これ自体は悪いことではないですが、自分のアタマで想像してみること、過去の経験から思い起こしてみること、を通じて、仮説を立てていくことができるようになります。現場ではなるべく本人に考えさせ、本人から答えを引き出すような関わり方をしてあげたほうがよいのではと思います。
これは物事が成功したときも、失敗したときも、です。
「よかったところはどこだろう?」
「何が原因でうまくいかなかったと思う?」
「次はどんなふうにやってみたらいいかな?」
自分のアタマで考え、自分の言葉で伝える時、人は自分の言葉を自分の耳で聴き取って深く理解が進みます。
Z世代にはさらにこんな特徴も!
特にZ世代は、多様性を重視する傾向があるため、価値観を広く受け入れてくれる人を好みます。
仕事だけでなく、プライベートの価値観も含めて相手を尊重するスタンス。
彼らとの関係づくりにおいてはこれが大前提になってきます。
とはいえ、なんでもよしよしすればよいというものではありません。
Z世代への接し方として注意したい点があります。
「権利」と「義務」のバランスです。
相手の価値観=「権利」を尊重する一方で、会社という組織に所属する以上、仕事に対しての「義務」は必ず発生します。
「権利」「義務」どちらか一方だけに偏らないようバランスに注意しながら指導していくことを意識する必要があります。
当社「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」では毎年、弊社の新入社員研修に参加された皆様を対象に、『新入社員現状調査』という白書を作成しています。
2023年版が出来上がっていますので、ご参考までに共有いたします。2023年入社組についてその特徴をご覧いただけたらと思います。
↓↓『新入社員現状調査2023年版』をご覧になる場合は下部の画像をクリックください↓↓
▼この記事を書いた人 齊藤 理美(さいとう まさみ) 「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」 専任講師&コーチ |