部下の成長や離職防止につながる「1on1ミーティング」。優秀な人材を逃さないために米国のシリコンバレーにある企業が生み出した手法だといわれています。
日本でもヤフー株式会社などの大手企業が人材育成のために取り入れ始めており、注目の教育手段です。今回は「1on1ミーティング」の概要から進め方まで徹底解説します。ミーティングを行う際の注意点も紹介するので参考にしてみてくださいね。
【 目 次 】
1on1 ミーティングとは?
1on1ミーティングは、米国のシリコンバレーにある企業で生み出された手法です。上司と部下が1対1で定期的に対話することを指します。
目的
1on1ミーティングの目的は部下の成長促進です。定期的に1対1で対話することでコミュニケーションの質が上がり、部下との信頼関係の構築につながります。
また部下が自身の悩みに向き合う時間になるのもメリットです。定期的に行うことで部下の課題解決能力向上が期待できます。
面談との違い
面談は進捗確認や指導、評価のために行われることが多いため、上司から部下へ一方的な指示や指摘を行う場になりがちです。
1on1ミーティングでは指導や評価はせず、部下の成長を促します。必要であれば上司からも解決策につながるヒントを伝えますが、面談のように積極的な指導はしません。基本的には聞き役に徹します。
開催する頻度も違います。面談は、評価の時期に合わせて3か月、あるいは半年に1回であることが多いでしょう。1on1ミーティングは、たいてい週1回、最低でも月1回程度のペースで行われるのが一般的です。
社内教育に「1on1ミーティング」を導入するメリット
1on1ミーティングは、以下のようなメリットが得られるといわれています。
信頼関係を構築できる
離職を防止できる
部下の成長につながる
それぞれ見ていきます。
信頼関係を構築できる
1on1ミーティングは部下の悩みや考えを聞く場であり、基本的に話すのは部下です。上司がひたすら聞くことで、部下は「自分を大切に思ってくれているのだ」と感じ、上司を信頼するようになります。
信頼関係が築かれると、それまで部下からなかなか言い出せなかった悩みも自分から相談できるようになります。また「報告・連絡・相談」がしやすくなるので、仕事をより効率的に進められるようになるでしょう。
離職を防止できる
悩みを抱えていてもなかなか上司へ相談できず、一人で苦しむ部下の方もいます。
長期に渡って課題が解決できないことで「自分はダメな人間なんだ」「自分には合わない職場だ」と思い込み退職の意思を固めてしまったり、精神的な不調を抱えてしまったりするケースも少なくありません。
これは部下と上司のコミュニケーション不足が招いた結果です。普段から頻繁に話ができていたら、部下は悩みを話しやすかったかもしれません。その意味で、離職防止に役立つといえます。
部下の成長につながる
考えを受け止めてもらえる経験により、部下は「認められた」と感じることができます。1on1ミーティングが承認を得られる場になれば、部下の自己肯定感や仕事へのモチベーションの向上にもつながるのです。
【1on1ミーティング】進め方を解説
社内教育の一環として「1on1ミーティング」を導入したいけれど、どのように進めていくのかわからない人も多いでしょう。ここでは1on1ミーティングの進め方を解説します。
1.ミーティングの目的を伝える
まずはミーティングを行う目的を共有します。部下に意味のない時間と思わせず、ただの雑談で終わらせないためです。ミーティングは今後の成長のために必要なことだと伝えるなど、真剣に取り組んでもらえるよう工夫が大切です。
2.ミーティングの準備をする
お互い何も考えずにミーティングに臨んでしまうと、何を話せばよいかわからない状況に陥る可能性があります。
1on1ミーティングの主役は部下です。話し合う内容も部下の考えに基づくものでなければなりません。部下には事前に話す内容を考えてきてもらいましょう。
どんな話になるか心配かもしれませんが、上司はとにかく聞くこと。聞き役に徹した上で、思い浮かんだ話をすれば十分です。
3.1対1になれる場所で話し合いを行う
部下と1対1になれる場所で話します。部下の悩みや課題を解決に向かわせるために行いますが、上司はあくまでも聞き役です。一方的な指示や指摘をすることなく、部下の話に耳を傾けて自身で解決策を導けるようにサポートしましょう。
4.振り返りを行って継続する
1on1ミーティングは継続的な実施が大切です。話し合いが終了したら次回の日程調整をし、当日までに話題となる課題や悩みを考えておいてほしいことを伝えましょう。
1on1ミーティングの注意点
「1on1ミーティング」を部下の成長につなげるために、注意しなければならないポイントを2つお伝えします。
ただの雑談で終わらないように注意する
1on1ミーティングは部下の抱えている悩みや課題について話し合い、自分で解決策を導き出せるようにするのが本質です。雑談で終わってしまっては意味がありません。
上司側も話を聞きつつ部下の悩みや課題を深掘りしたり、解決につながるヒントを与えたりできるように努めましょう。
上司は聞き手であることを意識する
上司は聞き手であることを意識し、部下の話に耳を傾けましょう。答えを思いついてもまずは聴くこと。そのうえで解決につながるヒントを与えることが大切です。
まとめ
1on1ミーティングは、部下の成長を促すものです。導入することで、部下とのコミュニケーションが活発化し、信頼関係の構築や離職防止につながります。
1on1ミーティングの効果を実感できるよう、上司は聞き役に徹することを意識して臨みましょう。事前に目的を共有し、部下に真剣に取り組んでもらえるようにすることも大切です。人材育成に力を入れようとお考えなら、「1on1ミーティング」を検討してみてはいかがでしょうか。
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