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「育てる」ということ


感謝のバトンが渡される組織

「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナーのかなえです。

4月になり、街中でも新卒をみるようになりました。私は子どもを育てていますが、「育てる」という行為はただ衣食住を与えることではないと感じています。また、組織の中で人を育てる。とはどういうことなのか自分なりの考えをまとめます。




 

【 目 次 】

 

あなたが「育てた」といえる人はいますか?

私は唯一、子どものことは「自分が育てた」といえるかもしれません。ですが、社会人として振り返ったとき、子どもと同じくらい「人を育てた」と言える経験は少ないかもしれません。もちろん、リーダーとしてOJTなどの研修を通して後輩の面倒を見たこともありますし、いろいろと指導した経験もあります。ですが、それらは今思うと到底「育てた」とはほど遠く、単に「教えた」「示した」という程度のものだなぁと感じています。


育てるってどういうこと?

私がアイデンティティー・パートナーズにいて、感じているのは、「育てる」という行為は、志が強くなければできないことだと感じています。志があるからこそ、自分向きのベクトルを取っ払って、ただ単に仕事を教えるだけではなく、本人のためになるのであれば、ときには嫌われ役を買って出て叱咤激励をしながら、人を「育てる」のだろうなと感じています。

 「なんとなく」で管理をしたり、教えたりしていても、部下や後輩は経験を積めば、それなりに成長はしていきます。子どもも同じです。ですが、それは果たして「育てて」いるのでしょうか。私は胸を張って「育てた!」といえる部下や後輩は存在せず、残念なことに、この会社に入る前に、「私はこの人に育てられました」と心底思った経験もあまりなかったように思います。もちろん、たくさん教えていただき、相談に乗っていただき、今でも顔を思い出し、本当に私自身を成長させてくださった。と感謝の気持ちを向ける方々は沢山います。

少し前の私であれば、間違いなくそれらの経験を「育てていただいた」と表現していたと思います。

 アイデンティティー・パートナーズで、人の可能性を信じ、人を育てることを常に考えている人に出会い、「育てる」という言葉の持つ意味合いを大きく考え直しました。人との関わり合い方に、今までより、もっと長くて途切れないものを感じるようになり、それこそが、「人を育てる」ことなのだと実感しています。

 人材育成に「長期的視点」が欠かせないというのも、体感として理解ができています。

そして、どこかのタイミングで節目を作り、育成側が、育成されている者をちゃんと「手放す」(突き放すというのがいいのかもしれません)時期を見極めて、次のステップに進めることがとても大事です。





子育てをしてみての反省

こういった感覚の変化を通して、私自身を振り返ると、子育てを何年もしてきて、なんとなく管理をして、衣食住を与え、というのは、反省する点でもあります。

もっと教えることがあったのではないか、もっと「育てる」意識をして、子どもと関わりをもつことができたのではないかと思うことが出てくるようになりました

自分も母親は初めての経験ですから、つい手を出しすぎたり、言い過ぎたりしていたように思います。


自分サイズでいいから、人を育てる

まるで弟子のように「この人は自分が育てた」といえるくらいの人物になるのは、なかなかなことだと思います。立場があればそうなれるわけではないと思うからです。私も到底まだ遠い位置にいますが、まるで「弟子のように」とまではいかなくても、小さな成長ポイントなら、私でも与えることができますので、日々意識するようにしています。

「育てる」っていろいろな角度がありますよね。適度なプレッシャー、ストレッチ、心が元気になること、見方を変えてみる作業をアシストすることなど。

自分にできることから他人に還元する。自分の身の回りに自分が得た栄養を与えれば、自然と自分のいる土壌が豊かになります。


樹木も人材開発も手入れが必要


当社佐々木のコラムにもありますが、私も植物を育てるのが好きなため、植物の育成と人の育成を重ねて思うことはたくさんあります。観葉植物を移動させて、日の当たる位置を変えると、それまで葉がなかった場所に青々とした葉が生えてくることがあります。

その瞬間を目にしたとき、大きな嬉しさと驚きを感じるのです。





成長の機会をつかむのは自分自身

さて、自分が育てた子どもがある程度成長し、「育成」を振り返るタイミングでもあったため、このようなタイトルでコラムを書きました。最後に思うのは、「成長の機会をつかむのは自分自身」ということです。

人への不満を持っても何も始まりません。特に組織においては、無条件に成長の機会が与え続けられるようなものでもありません。

成長の機会は社内だけでもなく、相手が人だけではありません。動いて、見つけて、働きかけて、これからも、新たなお客様の出会いも楽しみにしながら、自分自身をまず成長させることをやめない人でありたいと思う今日この頃です。


お読みいただきありがとうございました!





 

▼この記事を書いた人

藤本かなえ(ふじもと かなえ)

「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナー


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