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大人になってからでも身につく「やりきる力」

更新日:2023年10月16日


やりきる力を身につけるには

「GRIT(グリット)」という言葉をご存じですか?


GRIT(グリット)とは「やりきる力」のことで、心理学者でペンシルバニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏が提唱した言葉です。

  1. Guts(ガッツ):困難に立ち向かう「闘志」

  2. Resilience(レジリエンス):失敗してもあきらめずに続ける「粘り強さ」

  3. Initiative(イニシアチブ):自らが目標を定め取り組む「自発」

  4. Tenacity(テナシティ):最後までやり遂げる「執念」

この頭文字をとって「GRIT」です。


今回は大人も子供も身に付けたい「やりきる力」がどうやって培われるのかについてお伝えします。


 

【 目 次 】

 

やりきる人は影響力を持つ



「うちの組織でなにかやろう! となっても結局いつのまにか立ち消えになって、決めたことがまっとうできないんですよ…」

企業様からこんなお悩みをいただくことがあります。


じつは個人の「やりきる力」は組織への態度に影響を及ぼし、全体的な仕事の成果を上げると言われています。

個人が「やりきろうとする姿勢」が周囲へも大きく波及する。私個人はそう考えています。



認知能力と非認知能力


やりきる力は「非認知能力」に含まれます。


「認知能力」は、聞いたことがありますよね。IQ(知能指数)に代表される、点数で数値化できる知的能力のことです。


対して「非認知能力」とは、忍耐力やリーダーシップのような数値化することが難しい内面的なスキル

のことを言います。


「認知能力」は社会に出るまでの学業で培われるものですが、社会に出てからより必要となるのが「非認知能力」。人生においてプラスの結果を出すには、どちらもバランスよく備えているのが理想です。



パフォーマンスが上がる仕組み



課題に対するパフォーマンスは、以下の流れで上がっていきます。

  1. 動機付けが、  ↓

  2. 「認知能力」や「非認知能力」に影響を及ぼし、  ↓

  3. 課題に対するパフォーマンスを上げる


「何のためにやるか」の動機付けが起点となって、「認知能力」「非認知能力」へ影響し、結果的にパフォーマンスが上がるのです。

*出典:Kautz,T.et al.(2014) Fostering and Measuring Skills -OECD Education Working Papers



やりきる力はどうやって培われる?


一般的にやりきる力を含む「非認知能力」は、幼少期~学童期に育ちやすいと言われています。

  • 遊びながら伸ばせる

  • 子供は新しいことに挑戦したり、多くを吸収する力が高い

のが主な理由です。


また「非認知能力」が育つには、他者との関わりがあることが条件です。この点、繰り返し練習したり暗記したりして伸ばせる「認知能力」とは大きく異なります。


自分で工夫して作った作品をお友達と見せ合ったり、他の子のアイデアを取り入れてみたり。意見がぶつかった時には交渉や調整を試みたりと、「他者との関わり」の中で学ぶことはじつに多くあるのです。



やりきる力は大人になってからでも身に付けられるか?



答えはもちろん”Yes”です。やりきる力は大人になった今からでも身に付けられます。ポイントはやはり「他者との関わり」です。

  • いまより少しだけ難しいことにトライする(挑戦する勇気を持つ)

  • 成功体験を積み上げる(“できる”自信をつける)

  • トライする事柄は変更してもよいとする(心に柔軟性を持つ)

  • やりきる力を持つ人と行動を共にしてみる(真似る・吸収する)

  • 短期だけでなく長期の目標を視野に入れる(長期目標を立てる)


やりきる力の発揮には、応援してくれる家族や仲間の存在も大きいです。


人は周囲の人から「あなたならできる!」「やれるよ!」と言われ続けると、そのような暗示にかかり

自分が思った以上のことができるといいます。自分でも「できる!」「やれる!」と思うことでエンジンが動き出すのです。


私自身、やりきる力を発揮しているときの状態は、動機や目標が明確で、やりきった後の自己イメージが見えており、それを得たいという強い欲求があるときです。「ぜったいできる」と思い込むことはとても大事です。


この記事を書いた人 齊藤 理美(さいとう まさみ) アイデンティティー・パートナーズ株式会社、 わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)

専任講師&コーチ


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